胃癌と大腸癌。これらの癌は早期発見すれば原則、完全に治癒します。検診での検査方法は、近年、内視鏡による検査が増えてきています。

 さて、この胃の内視鏡検査ですが受診者にとってしんどい、いやな検査の代表ではないでしょうか。これは内視鏡が喉を通過する時には反射が起こり、オエっと吐き気が起こることが理由でしょう。以前は内視鏡を胃まで通す時には口から挿入でしたが、鼻から挿入できるようにもなっています。さらに検査時に鎮静剤を使用し、寝ている間に検査をする場合もあります。どの方法で検査をするか、担当医とご相談の上でお決めいただけると思います。

 私自身の受診時のことをお話します。私は鎮静剤を使わず口からの挿入で検査を受けています。口からの挿入よりも鼻からの挿入のほうが、喉を通るときにいくぶんは楽かもしれません。しかし私が鼻からの挿入で検査を受けたときに、内視鏡が細いとは言え、狭いところを通過するため鼻出血が起こりました。鼻腔が狭くても内視鏡は入りません。いずれにしても内視鏡が喉を通って胃の中を動くことから、どうしても喉への刺激が出てきてしまいます。したがって検査を受けるときのコツとして、つば、すなわち唾液を飲み込まないことです。できるだけ唾液を飲み込まない、口を開けたまま受け皿に流し続ける、ということです。それと力が入ってしまうので、気がつくたびに肩の力を抜くようにしています。

 さて、大腸の内視鏡検査はどうでしょう。便の検査、便の潜血反応で陽性になれば内視鏡検査を勧められますが、ある年齢になれば最初から内視鏡検査をお考えくださればいかがでしょうか。大腸の検査の場合、検査のための食事と下剤が必要で、これで腸の中を空っぽにしてきれいにします。検査の実施については多くの施設では、前日に検査食を食べ、当日は朝の絶食で病院を受診し、午前中に約2リットルの下剤をゆっくり飲み、腸がきれになってから午後から検査、ということになると思います。下剤を当日ではなく、前日の夜に飲んで腸をきれいにしてから検査をする施設もあります。検査では長い腸を内視鏡が入って行くので、時々おなかが突っ張るような違和感がありますが、多くの方では思ったほど大変なものではないように思います。

 私からの皆様へのお勧めは、気持ちのいい検査ではない胃と大腸の内視鏡検査を同じ日にお受けになられてはいかがでしょうか、ということです。前日に検査食、当日の朝食は絶食ですので、要するに何も食べてないので受診したらまず胃の検査を受ける、それから下剤を飲んで午後から大腸の検査、という順番です。午後の早いうちに終了です。以前のことですが、知り合いの先生のクリニックで検査を受けた時のこと。前日に下剤を飲む方法でしたので、当日午前7時半くらいに受診しすぐに胃の検査、終了と同時に大腸の検査をして終了後、9時には仕事が始められていました。やれやれと思う検査を別の日にするのではなく、いっぺんに済ませてしまう!いかがでしょうか。

ギザのピラミッド2007#19ギザのピラミッド

カイロ郊外、エジプト

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