私は1949(昭和24)年生まれの、現時点で71歳です。このシリーズでタバコのこと、タバコの害について話てきましたが、私もタバコをすっていました。喫煙者でした。20歳過ぎから30歳過ぎの10年間のうち7ないし8年は吸っていたと思います。前回のこのシリーズのパキスタンの山登り、パキスタン遠征時のことに触れましたが、その時は日本から食品や登山道具などと一緒に7名の隊員の吸う、タバコも梱包しました。当時の隊長が今でも言ってますが、お前はあまりタバコを吸わないと言っていたが、結構すっていたな、とコメントされます。当時はタバコがうまいとも思わず、しかしやめようと思ってもやめられない、と感じていました。しかし吸った煙は肺まで吸い込むことはなく、口の中でふかすというかそのまま吐き出していました。それでもニコチンなど依存物質が口の粘膜から吸収されるために、そのような結果になっていました。体に悪いからやめよう、とは常に思っていましたが、やめられない。

家では家内がタバコにうるさいので吸っていませんでした。当時は仕事場である大学病院も土曜日も午前中は仕事があった時代でした。ある時、土曜日が祭日で、日曜日と連休になりました。家ではタバコを吸っていなかったので翌日、月曜日に仕事に出るとたまたまタバコがない状態でした。吸いたいとは思っても、売店にまで行く時間も、また吸う時間もない状態で迎えた昼休み。あっ、タバコがない、買いに行こうか、いや買わずにやめようかと思いました。結局、そのままタバコを買わずに、したがってタバコ吸わずに夜になりました。それで、あ、このまま買わずにいようか、要するにやめてみようか、と気軽に考えました。翌日もその翌日も。結局はタバコを吸わなくても済む、というのが実感しました。

そのまま吸わなくても済むと思った一週間後、ちょっとした危機が訪れました。次の土曜と日曜だったか、一泊で釣りに行きました。メンバーは一人の知り合いと、その仕事関係の二人、私を入れて四名で民宿に泊まりました。その夜の食後。炬燵に入って知り合いの仕事関係の人がタバコを吸い始めたのです。私は、あ!欲しいなと思い、一本下さい、と言いたかったのですが、知り合いの知り合いとは言え初対面の時だったので、グッと思いとどまり黙っていました。結局、そのまま今に続いています。40年ほど前のことになります。

その後、仕事上、禁煙外来を担当した時期もあり、タバコをやめる方々といろいろとお話することもたくさんありました。タバコをやめた人は案外、ちょっとしたたわいもないことでやめた、と言うのをお聞きし、みんな同じだなぁ、と感じた次第です。タバコを吸っている人のほとんどの方は、できたらやめたい、と思っていいらっしゃるようです。

ちょっとしたきっかけを大切にしたいものです。私の年代になると、孫を抱っこさせてもらえるように、とか孫の卒園式に合わせてじいじも卒煙をしようとか、ほほえましい出来事が少なくありません。ad366c3f4def921c59f110ee568ca819

首都リガの市庁舎ad366c3f4def921c59f110ee568ca819

ラトビア

(バルト三国の真ん中の国)

 

 

 

 

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