前回、お話しましたように2005(平成17)年、我が国も参加した、たばこ規制枠組み条約(FCTC)という世界的なタバコを規制する条約締約国では、タバコが一般の人の目に触れるようなことに関する多くのが制限されています。

その頃、2000(平成12)年以降、アメリカの研究では、子どもがタバコを吸い始める原因の一つとして、映画で喫煙シーンを見ることが大きい要因であると明らかにしています。その後、WHOは映画は野放しのままで良いのか、との考え方から、喫煙シーンのある映画に年齢制限を設けるように勧告を出しました。

私には喫煙シーンについて印象的な作品が二つあったので紹介します。一つは2000(平成12)年公開の「サーティーンデイズ」です。1963(昭和38)年頃、ソ連がキューバに基地を作ろうとしたキューバ危機の時の、ケネディ大統領やホワイトハウスの対応の13日間を描いたものです。今でこそ世界で一番にタバコに対する規制を行ったアメリカも、当時対応に当たるホワイトハウスではタバコを吸いながら執務をしていました。煙がもうもうの部屋で多くの男性がタバコを吸いながらでした。

もう一つは2002(平成14)年公開の「浅間山荘突入せよ」です。連合赤軍が浅間山荘に立てこもり、そこへ警察が突入した事件でした。これは私が大学生時代の1972(昭和47)年の始めの寒い頃のことでした。私どもの学年には、次の日が進級に重要な試験があるにもかかわらず、先輩のアパートに居候していた私はその先輩のテレビを、さらにテレビを持っていない同級生までもが来て一日中中継を見ていました。そのことを扱ったこの映画では立てこもりの連合赤軍への対策本部では、多くの人がタバコを吸いながら対応に追われていました。早期の終結を図るべく東京の警察庁からか、派遣された主役の役所広司さんが、それまでの県警本部長から指揮権を受け継ぐことになり、夜の会議の最後に一言、「明日からは私が指揮をとります。この部屋は禁煙にします」と宣言。そうすると県警本部長が驚いてがっくりする、というそのような時代でした。

男はタバコを吸うのが当たり前、と言う時代が2020年を迎えたの令和の時代、喫煙率は大きく低下してきています。これも大きな時代の流れでしょうか。

2012#24ミコノス島

エーゲ海の島の一つ、ミコノス島

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