新幹線の喫煙室と、限られた駅ではありますが喫煙コーナーの廃止のニュースがありました。公共交通機関での禁煙化は久しぶりの朗報ではないでしょうか。受動喫煙防止を主眼とした改正健康増進法の下、いろいろな取り組みがなされてきましたが、これほど多くの人が利用する新幹線での禁煙化への決定は大きい前進と言えると思います。

以前、新幹線に乗った時に喫煙車両内を見ると白くかすんで、反対側の出入り口がぼんやりとしか見えなかったことを憶えています。知り合いでタバコを吸う方も、喫煙車両には煙たいので乗らないと、言っていたことがありました。またある時、禁煙車両のドアのすぐ前の席に乗っていた時のことです。そのすぐ隣の車両は喫煙車両でした。禁煙車両はデッキも禁煙、喫煙車両はデッキも喫煙可です。その時の車両は連結部分に洗面所などがなく、禁煙と喫煙の車両が仕切りがなく、隣り合っていました。その結果、どうなるか。禁煙車両のタバコを吸う方が、喫煙車両のデッキへ行って吸う。ところが禁煙車両の先頭に座る私には、すぐ目の届く近い距離でタバコを吸う、多くの人が通路を通るので、ドアはたびたび開く、そうするとタバコの煙は禁煙車両に入って来る。ということで大変な思いでした。その後は、新幹線を予約する時には喫煙車両に一番遠い禁煙車両と指定していました。

新幹線は前のオリンピック東京大会の時、昭和39(1964)年に開業されました。新幹線に禁煙車が導入されたのは昭和51(1976)年、こだまの1車両のみでした。

その後、昭和62(1987)年に国鉄が分割民営化されてからは各地で在来線を含み車内の禁煙化が進んできました。平成21(2009)には東海や西日本など飛行機や高速バスとの競合がある地域で、新幹線や寝台特急、四国の一部列車を除き、全列車が禁煙となりました。それとともに駅での喫煙への制限がなされ、次第に広がってきました。そのような中での今回の報道となった次第です。

現在、私の禁煙外来を受診される方に、禁煙の動機をお尋ねすると、タバコを吸う場所が限られ吸いにくくなった、とおっしゃる方が少なくありません。タバコによる健康被害が亡くなるように願っています。

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アドリア海の真珠、ドブロブニク、クロアチア

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