昨年、2021年末に新聞の文化欄で、前年の2020年にカメラ雑誌「アサヒカメラ」や写真展示スペースの東京・銀座ニコンサロンが幕を閉じたことを知り、写真を趣味とする私は驚きました。

「アサヒカメラ」は高校生の頃、図書館で見ており、大学で写真を撮るようになり購読を始めました。学生時代、その他にもカメラ雑誌では「カメラ毎日」と「フォトコンテスト」も購読しました。それら掲載される作風としては「アサヒカメラ」が標準で、「カメラ毎日」が新しい表現を入れた洗練された感じ、「フォトコンテスト」は実験的な表現や時には破天荒とも言える写真を掲載していたように思います。学生時代の写真に関する活動の一つに、これらカメラ雑誌への写真の投稿があり、このシリーズで以前触れました。カメラ雑誌のもう一つの目的は、多くの写真家の新しい作品を見ることでした。特に複数の写真がまとめられることで、新しく見える世界を提供されることに毎月、わくわく感が楽しみでした。しかしそのカメラ雑誌も次第に休刊となり、昭和の終わり頃からは「アサヒカメラ」のみの購読を続けていましたが、近年、雑誌の編集の中心が、桜とか紅葉の撮り方といった、技術的な話が中心となり、私が求めていたものとずれた感じを持つようになっていました。そのような中で迷っていたのはカメラ雑誌をやめると写真界の情報が得られなくなる、写真と離れてしまう、ということでした。しかし、写真家の新しい試み、作品に接することが次第に減少していることは、カメラ雑誌への期待感が喪失することから購読を中止しました。

以前は仕事から帰る時にカメラ雑誌を購入し、家に帰るまでの時間が待ちきれず、途中の喫茶店で本を開くような時期もありました。香川の地ではカメラ雑誌は新しい作品群の一部ではあっても定期的に接することができる媒体であったと思います。「アサヒカメラ」の購読を中止してからはプロ写真家の作品としての写真に接する機会はほぼなくなったように思います。

スマホのカメラ機能の著しい向上で多くの人が写真を撮影することができ、画像があふれるよう環境の昨今、新たしい写真の見方、見せ方が出てくることに期待したいものです。またアマチュアでも積極的な活動をしている方、あるいはグループに巡り合うことも願うところです。

昌慶宮、ソウル 韓国
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