昨年5月から本院に勤務しております佐藤功(さとうかたし)と申します。放射線科医として、放射線画像の読影を担当いたします。今まで放射線科医として、主として胸部疾患、すなわち呼吸器疾患に関する画像診断や核医学や気管支鏡による診療、あるいは疾患の基になる病態や解剖の研究をして参りました。そうした中で呼吸器の疾患やそれに関係する諸々のことで気の付いたこと、感じたことをこのホームページの小欄を借りてつぶやいてみたいと思います。

まず第1回目。

日本人の亡くなる原因、つまり死因の第一位は何かご存知でしょうか。多くの方がご存知、あるいは感じていらっしゃると思いますが、悪性腫瘍、癌です。毎年30万人台後半、40万人に近い方々が亡くなっています。その中で第一位、最も多くの方が亡くなるのが肺癌で、7万人以上の方が亡くなっています。中でも男性で第一位、女性では大腸がんに次いで第二位となっていて増加傾向にあります。繰り返して申し上げますが、この数字は毎年のことです。癌になる数、罹患数になると男性では胃癌、女性では乳癌、男女を合わせると大腸癌ですが、亡くなる方の数となると上記の通り、肺癌が多くなっています。

それでは香川県では肺癌で亡くなる方の数ですが、毎年600人以上となっていて、これも徐々に増加傾向にあります。

ちなみに交通事故死亡者数をみると、昨年1年間では全国で約3,500人、香川県内で48人と、少しずつですが減少傾向にあります。いかに肺癌で亡くなる方が多いかというのがお分かりいただけたものと思います。

先ほど申しましたように癌になるのは胃癌、乳癌、大腸癌が多いの比べて、癌で亡くなるのは肺癌が多いのはなぜか。これは検診や医療機関への早めの受診をするか否か、ということに関係しているのではないか、と思います。バリウムや内視鏡による検査、マンモグラフィーや超音波による検査を定期的、あるいは早めの医療機関の受診が広まっているように感じています。

肺癌では胸部X線写真(いわゆるレントゲン)による検査もありますが、CTによる検査も行われます。

 

1901#1オランダ風車風車

アムステルダム郊外、オランダ