前にこの欄でご紹介しました高校の恩師、徳方宏治先生の講義を受けた時、先生から何度も「佐藤君」と呼ばれました。「佐藤君」と呼ばれるのは久しぶりで、しかもなつかしい呼ばれ方でした。このところ日常の普通の生活では「佐藤さん」が多く一般的でしょうし、仕事関係では「先生」とも呼ぼれることが普通です。ただこの「先生」という言葉はその人の名前を憶えていなくても、言う方も聞く方も理解でき、業界用語というか便利な言葉とも理解されています。

 さて、名前の呼ばれ方を思い出すといろんな呼ばれ方があり、その呼ばれた頃のことを思い出します。私は「佐藤功」ですが、読み方は「さとうかたし」です。「功」は普通では「いさお」と呼びますが、私は祖父が古い文献に精通していたからか、どこからかこの命名を思いついたかは分かりません。

 私が小学校2年生の頃、市内だったか対外的な絵のコンクールで入選し、その表彰状を学内で校長先生から受賞しました。その時の名前がひらがなで「いさお」と記載され、そのように読み上げられ、みんなから「いさお」とからかわれたのがいやだったという記憶に残っています。

 自分がどう呼ばれたか。幼少時には家族からは「かたし」が普通でした。親せきや近所では「かたしちゃん」、「かたっちゃん」、「かっちゃん」が普通で、たまに「かたしくん」だったと思います。

 それが小学生なると、「君、さん、をつけて呼ぼう」というのが学校で奨励され、週の標語になったこともありました。それが中学生になる時に、私は違う学区の中学校へ入学したので、小学校の同級生とは別になりましたが、その中学校では女子生徒へは「さん」をつけて呼び、女子生徒からは君をつけて呼ばれても、男子の間ではお互いに名字だけで呼び合いました。したがって私は「佐藤」と呼ばれ、そのうち親しい友達ができてくると「かたっさん」とも、そして高校になると「佐藤」か「かたし」、「かたしくん」になり、その後の大学でもそのパターンでした。

 大学を卒業して仕事を始めると、職場では「先生」、職場外では「佐藤さん」でした。そんな中で「君」をつけるのは、小学校の友人と会う時です。コロナ騒ぎでしばらく会っていませんが。その他では以前、上司からは「君」で呼んでいただいていました。しかし私が年を重ねてくると次第に「君」で呼んで下さる方が少なくなり、この年になると呼ばれることはほぼなくなってきました。

 そんな中、久しぶりに「佐藤君」は昔を思い出すような、懐かしい雰囲気を感じる呼ばれ方でした。

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8月でも氷山が海に浮かび、氷河が見える

グリーンランド

 

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