先日、新聞にポーランドの南部の古都、クラクフにあるアウシュビッツの記事がありました。第2次世界大戦中にナチス・ドイツによって多くのユダヤ人が犠牲になった強制収容所です。解放から79年を迎えたそうです。

私もクラクフへ行ったことがあります。ポーランドの南に位置し、都がおかれたこともある、日本でいえば京都のような落ち着いた古都でした。しかしアウシュビッツへは、あまりに衝撃的な重い内容であるため、行くことができませんでした。ずっと以前、ドイツのミュンヘンを訪れた時に近くの町、ダッハウにナチスの強制収容所があり、行ってみました。ナチスの強制収容所のことは通り一遍のことは知っていたつもりでしたが想像を超えるものでした。収容所跡は昔の高い塀に囲まれ、所々に監視塔もあります。記念館には当時の遺品や写真が展示され、また人を焼いた窯などが設置されています。しかし最も驚き衝撃だったのは、当時よりは狭くなっているそうですが、広大な敷地の広さでした。その広大な敷地には収容者のための居住する家というのか、いわゆる長屋のような平屋の建物が並んでいた所です。その敷地の最も手前にレプリカの建物が二棟、建てられ、その他の敷地には建物の建っていた場所を示す場所がレンガで示され、それがずっと拡がります。その広大な敷地の空間が強く心に残っています。当時の収容された方々は本当に絶望の中で、その風景の中にいたのだと思うと、何と言っていいのか分からない気分になりました。私が行った日は素晴らしい晴天であっただけに、余計にその落差が感じられました。その経験があったのでアウシュビッツには行くことはできませんでした。

私がクラクフで行ったのは岩塩坑でした。地中深くまで下がり多くの坑道をめぐりましたが、最大の目玉は掘りぬかれた教会です。もちろん床も壁も天井も全て岩塩に囲まれます。暗い銀色で荘厳な不思議な空間を体験できます。それと楽しめたのは、クラクフの郊外にある木造の教会群です。木でできた教会は、よく見る通常の教会とは違う雰囲気で、温かみがあります。

アウシュビッツは悲惨でしたが、今のウクライナやガザに早く平和が訪れてもらいたいものです。cd9ada7edea1b1d9f1e9b6737a205fab

クラクフ郊外、マウォポルスカの木造教会群

ポーランド

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