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放射線科画像診断センター長の独り言    佐藤 功

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どこで見たか、どこを見たか   No.64(2024年4月)

 

ふとした時に昔の断片の風景を思い出すことがあり、それがどこの風景かを思い出せないことがあります。しかもそれが何年かおいて、同じように思い出し、以前にも感じたことを思い出しながら、繰り返しどこの風景かと思うことがあります。

そのような思い出の中で、まず挙げられるのが高知県の日本三大鍾乳洞の一つ、龍河洞です。20年ほど前だったか、高知県南国市を訪れることがありました。予定の所用が終り、時間もあるので以前訪れたことがある龍河洞へ行ってみました。順路にしたがって奥へ進むと、通路の傍らに手のひらに乗るような小さなツボが設置されていました。これを見たとたん、思いは高校1年から2年生に変わる春休みまで、一挙に遡ります。その頃、私は岡山の高校に在籍しており、自転車で四国を一周した時のことです。その時にこの龍河洞を訪れました。その時にこのツボを見たことを思い出しました。この置かれたツボの意味は鍾乳洞の天井から落ちるしずくが、ツボのうえに次第に厚みを増し、その結果天井から下まで連続するような石筍、石柱といった現象を生ずるのにどのくらいの期間が要るかどうかの実験の場でした。何かの時にこの小さいツボを思い出すことがありましたが、龍河洞の実験の映像であることは思いもよりませんでした。

他に見た場所の確認ができたのは宮城県の高千穂で訪れた神社でした。20年ほど前だったか宮崎を訪れることがありました。この時は二人で行きましたが、翌日、高松に帰る時に高千穂へ寄りませんか、とお誘いをいただきました。延岡から列車で高千穂まで入り、駅からタクシーで山間の田んぼ道を通り一カ所の神社でお参りをしました。高千穂と言えばこの神社、であったのだと思いました。そして昨年、家内が宮崎へ行ったことがない、とのことで夫婦で高千穂へ行きました。以前、どの神社に行ったのか記憶にありませんでした。まず神楽を見ましたが演じられた神社には記憶がありませんでした。次に行った神社で、あるお社の前に立った時に、突然にその風景を思い出し、以前の光景とぴったり重なり、ここへ来たのか、と不思議な感じがしました。

どこで見たか、どこを見たかが確認出来て、心の中にモヤモヤしていたものが、霧が晴れてすっきりした気分がした、思い出の出来事でした。af10967dce0672e033e45ca3583f1a95

アジアからヨーロッパにかけてのユーラシア大陸西端

ロカ岬、ポルトガル

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