本院で今月、令和4年4月から禁煙外来が開設されました。私が担当しますが、私にとって禁煙外来を担当するのは15年ぶりくらいでしょうか。前任地と本院赴任後の今までは禁煙外来を実施する環境ではなかったので、本当に久しぶりに、といった感じです。

禁煙外来とはタバコを吸っている方がなんとかタバコをやめたい、禁煙したいという場合にお手伝いするものです。タバコを吸っている方には意思が弱いのでタバコがやめられない、との思いがおありの方が少なくありませんが、意思が弱いのではなくニコチンのためにやめられなくなっているのが実情です。すなわち喫煙の持続はニコチンの薬理作用として依存となっている状態と言えます。そのため現在ではニコチン依存症として保険診療の対象となっています。禁煙外来では問診やタバコに関する質問形式による依存度テスト、呼気の一酸化炭素濃度の測定などを行い、今までのタバコとの付き合い方もお伺いします。そして禁煙に向けてのお薬をお出しします。

禁煙補助剤として最初に出たのがニコチンの入ったガム、通称ニコチンガムでした。その次に皮膚に貼る張り薬も使用できるようになりました。これらはタバコを吸ってニコチンを体に入れるのではなく、タバコを吸わずにガムや張り薬を使用して、口から、あるいは皮膚からニコチンを体内に入れる、そのためにタバコを吸わなくてもいい、そしてその量を減らして最後には禁煙ができる、というものです。その後、ニコチンが入っていない飲み薬が開発されました。脳に作用してタバコを吸わなくても満足できる、という仕組みです。

ところがこれらの薬には副作用が生ずる場合があり、特に飲み薬では気分が落ち込むとか眠気がある場合があり、事故の報告もあって、現在は入手困難になっています。そのために張り薬を使うことになったので、生産が追いつかないのか、はやり入荷がスムーズにはいかないのが現状です。本院に隣接する薬局でも、現在治療中の方の量は確保しているものの、新規に治療を開始する方への処方は確実とは言えない、とのことでした。そのため治療を希望される場合は、その都度薬局に張り薬が入荷しそうかを確認しています。

禁煙を希望される方々へのお役に立てるよう願いながらのスタートです。

d1b839b5534604b4739247077b0b72d8

氷河から流れ出る水の大きい滝

アイスランド

過去の記事一覧