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放射線科画像診断センター長の独り言      佐藤 功

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COPDってどうして息するのがしんどいの   No.11(2019年11月)

 

COPDのうち肺気腫での息をするしんどさのメカニズムをご説明しましょう。

肺気腫とは以前の回でお話したように肺胞の断裂、破壊によって生じます。肺胞というのはどのようなレベルにできているのでしょうか。吸い込んだ空気はのどの奥を通って気管を通り、左右の気管支に分かれて通って行きます。ご存知のように気管支は二つに分かれながらどんどん肺の奥に達していきます。気管支は次第に細くなり、肺の奥で次第に細気管支という細い枝分かれを繰り返します。

そこで気管支と肺の奥の方の細気管支と言う、「細」と言う字がつくようになると、それまでの気管支と、直径の細さとは別に何が違うのでしょうか。

少し元に戻り、気管支に分かれる前の太い気管とはどこにあるのでしょう。みなさんの胸の真ん中、指先でたたくと硬い骨がありますね。指先でちょんちょんとたたくとこんこんという音がします。胸骨と言います。それを指先でたたきながら上へ上へといくと喉の下、ちょっと柔らかくなって指先に力を入れて押すと喉がつまって「おェッ」となるところがあると思います。そこが気管です。

その気管は指先で押さえると硬い部分が指に触ります。何か硬いか。それは気管の直径、すなわち内腔を広げるように気管の璧の中に輪になった軟骨、気管の長さに対して横走する、輪状軟骨を触っているからです。この輪状軟骨が気管を広げて空気の出し入れを保つようにしています。気管はそこから肺の奥まで入って行き、次第に気管支に分岐していきますが、気管支には同様にそれらの壁内に軟骨、すなわち気管支軟骨を持っています。繰り返しますが、この気管、気管支の軟骨が各々気管、気管支の内腔を拡げています。

ところが気管支が細くなって細気管支という領域では、細気管支の壁には軟骨がありません。軟骨と言う硬い組織がなると、当然ながら細気管支という「くだ、管」は空気の出し入れを保つのが困難になります。すぐにでも細気管支の中、内腔がペチャンコになってしまいそうです。しかし普通の元気な人は普通に呼吸をして、しんどさは感じません。それは細気管支と言う細い気管支の周りや、末梢にある空気の通り道を周りのきれいな肺、すなわち肺胞が引っ張って細気管支の中、内腔を拡げています。しかし肺気腫で肺胞が断裂し、それらがお互いに大きい袋を形成するようになると、気管支の末梢の細気管支の内腔を拡げるべき周囲の肺胞群の破壊により、細気管支が拡げられなくなる、そのため息がしにくい、ということになります。

肺胞が破れて大きい袋になっても、さらには袋になった領域に空気が入ったからと言っても、呼吸には関係ない、肺胞に酸素を取り入れることが十分でないとすれば、肺気腫の息の吸い方、吐き方に問題があることはお分かりいただけるものと思います。

ドナウ川、ブラチスラバ

昔のチェコスロバキアから分離した

スロバキアの首都ブラチスラバを

流れるドナウ川

スロバキア

 

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