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放射線科画像診断センター長の独り言

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肺炎について No.15(2020年3月)

 

 新型肺炎が連日、報道されています。

 さて肺炎ですが、一般的になじみのある病気、疾患名だと思います。今回の新型肺炎に限らず従来、この肺炎でどのくらいの方が亡くなっているのでしょうか。このところ新聞の訃報欄でも肺炎とか肺気腫などの具体的な病名が載るようになっていますが、以前は呼吸不全、という大雑把な名称が使われていました。東京都健康安全研究センターの報告では、2018年のデータで日本人が肺炎で亡くなる数、死亡者数は男性で約6万5千人強、女性で約5万4千人強の合計で12万人ほどとされています。これは癌などの悪性腫瘍、狭心症や心筋梗塞などの心疾患について第3位となっています。いろんな病気になって、さらに肺炎を合併して亡くなる、ということでしょう。

 肺炎での死亡者数は第1次世界大戦頃のスペイン風邪で1918年に20万人以上の方が亡くなり、死亡者数のピークだったようですが、ウイルスによる肺炎だけでなく合併して生じた細菌性肺炎が原因ともいわれています。その後は抗菌剤の発達で細菌性肺炎での死亡者数は減少し、1964年(昭和39年)、前の東京オリンピックの頃に2万人強と、最低を記録していました。以前は肺炎と言えば乳幼児が多かったのに対し、現在は高齢者が多く、誤嚥性肺炎も問題になっています。

 さて冒頭に戻ってこのところの新型コロナウイルス感染です。基礎疾患がある場合に重症化しやすい、と言う報道がなされています。実際に中国の医学雑誌に掲載された内容でも、死亡を含めた悪化例には喫煙者が圧倒的に多かった、と報告されています。またLancetという世界的に有名な医学雑誌でも、タバコを吸うことと、タバコによって生じたCOPD(この欄で以前にお話しましたが)が新型コロナウイルス感染症を重篤化する因子と発表しています。要するにタバコが喫煙者に対し感染をしやくさせ、タバコで痛められた肺がさらにダメージを受けて治りにくくなっていると言えます。

 報道にあるようにこの感染リスクの高い場所としては密閉された空間、換気が不十分、近い距離に多人数が集まるなどが挙げられています。喫煙所を閉鎖する施設があるとのことですが、狭い喫煙所こそ感染リスクの場所そのものと言えるのではないでしょうか。さらに喫煙とはタバコを持つ指がフィルターにも触る、そこを口で咥える、など感染への危険な行為と言えるでしょう。

 肺気腫、COPDは肺が破れて袋状になり呼吸に関与しなくなる、そのため正常な肺の領域が少なくなる、その少なくなった正常な肺に炎症が生ずる、つまり肺炎になる、その結果として呼吸ができにくくなる、ということです。

 新型感染症に対してだけでなく、今後の健康な肺のために、タバコを吸っている人はそろそろタバコを卒業してはいかがでしょう。

街の中心のドゥオーモ2003#15フィレンツェドゥオーモ

フィレンツェ

イタリア

 

 

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