当院も開院して、はや1年がたちました。患者さんの中には、当院で新たにリウマチや膠原病の治療を開始した方も多いと思います。また、今まで治療を受けてきたけれど、あまり病気の話を聞いたことのない方、新たにもう一度聞きたい方もおられると思います。当院では、平成12年6月から外来にて、リウマチについてお話しする入門編と、テーマを決めてお話しするテーマ別に分けて、教室をしております。是非、皆さん、勉強に来てください。
下記に年内のスケジュールをお知らせします。
さて、第一回のテーマ別リウマチ教室は、<抗リウマチ剤について>でした。教室に参加されていなかった方のために、教室で勉強した内容をお届けします。
リウマチ教室予定表
月 | 入門編 | 講師 | 開催日(金) | テーマ別 | 講師 | 開催日(木) |
7月 | リウマチとは | 大西 | 7月28日 | リウマチの薬物療法 | 薬剤師:武田 医 師:大西 |
7月27日 |
8月 | リウマチとは | 大西 | 8月25日 | リハビリテーション | OT:倉田 医 師:大西 |
8月17日 |
9月 | リウマチとは | 大西 | 9月22日 | ステロイドホルモンについて | 薬剤師:武田 医 師:大西 |
9月28日 |
10月 | リウマチとは | 大西 | 10月27日 | 骨粗鬆症について | 栄養士:角野 医 師:大西 |
10月19日 |
11月 | リウマチとは | 大西 | 11月24日 | リウマチの治療に 必要な検査 |
医 師:大西 | 12月7日 |
詳しくは、外来スタッフにお聞きください。
慢性関節リウマチに使われる薬について
宇多津クリニック 薬局
リウマチは完全に治りきる病気ではありません。しかし、お薬を上手く使うことで、落ち着いた状態(寛解)にすることは可能です。その為には、お薬の性格を患者さん自信がしっかり理解して正しく服用することが大切です。
こんな間違った認識ありませんか?
痛みがおさまれば、リウマチは治っている痛み止め、ステロイドで痛みが抑えられたら、それでリウマチは良くなるリウマチがある程度進んでから、薬は使う。リウマチの薬はのんでも効かないので、途中でやめてもいい副作用が多いから、薬はのまないほうがいい。
今服用している薬についてご存じですか?
リウマチに使われるお薬は大きく分けて2つあります。
(1) 痛み、炎症を抑えるお薬
痛み止め、ステロイドなどを使って、痛み・炎症をおさえます。早く効き目が現れるのが特徴です。ただし、リウマチの活動を抑えるのに、このお薬だけでは不十分です。
(2) リウマチの進行を遅らせるお薬
リウマチの根本に効くお薬です。リウマチの治療には必ず必要です。ただし、効き目が現れるまでに2-3ヶ月必要なので、途中でやめずに正しく服用することが大切です。
- モーバ
- アザルフィジン
- リウマトレックス
- メタルカプターゼ
- メソトレキセート
- リドーラ
- リマチル
抗リウマチ剤について
抗リウマチ剤とは?
リウマチに悪さをしている根本のところを抑え、リウマチの進行を遅らせる薬
痛み止め・ステロイド
⇒ 痛みを抑えるためには大切な薬。しかしリウマチの進行を遅らせる効果は少ない。
どうして抗リウマチ薬を使うのでしょうか?
(1)早くから薬を積極的に使い、早くリウマチを落ち着いた状態にもっていく
(2)痛みをとるのが目標ではなく、
関節破壊を少しでも遅らせて、日常生活を普通に過ごせるようにする
★早くからしっかり治療をすることが非常に大切です★
抗リウマチ薬の特徴について
(1)効果が現れるまでに約1~3カ月かかる(遅効性の薬剤)
★すぐ効かないからと言ってのむのをやめないように!!★
(2)効果が現れると、痛み止め、ステロイドなどのお薬を減らすことが可能
(3)何種類か組み合わせてのむことで、効果がよくなることがある
★お薬を何種類か併用することが多いです★
お薬の副作用を気にしていませんか?
副作用のない薬はありません(副作用は薬の作用の1つです)
しかし、副作用がおこらないように予防することは可能です。血液検査・胃カメラなどで医師が必ずチェックし、また副作用を予防する薬もいっしょにのんでいきます。
大切なことは、薬の性格をしっかりと理解して、自分で調節せずに服用することです。こわがらずに副作用についても正しく理解しましょう。
薬ののみ方について
基本的に、水・お茶などでのんでください。牛乳・ジュース(特にグレープフルーツジュース)などは、薬の種類によって、薬の吸収・代謝に影響することがありますで、 牛乳・ジュースでのみたい方は薬剤師に相談して下さい。
お薬を服用するときに大切なことは何でしょうか?
医師の指示どおりかっちり服用することです。特に、ステロイドを服用中の方は、のみ忘れると症状が悪くなったり、熱が出たりします。そういう症状が現れて一番つらいのは患者さん自身です。お薬は常に携帯しておいて、うっかり忘れた時でもすぐ服用できるようにしておきましょう。
薬の中には、一生つきあっていくものもあります。薬について正しい知識を持ち、服用をきちんと守ることで、薬と上手くつきあっていきましょう!
第1号 平成12年10月1日発行